男の色女の色
娘が「これ、借りていい」と、兄に許可を求めている。同じような体つきのふたりは、共有している物がたくさんあるそうだ。私は、男女の区別を教えられ、男物、女物が別の時代に育った。そして、私は女の子を描くとき、赤いスカートをはかせ、ピンクのリボンをさせた。「いったい何を基準に、赤やピンクを」と聞かれても、「いつの間にか身についた」としか答えようがない。私の年代にとっては、妹が兄の物を借りるなんてとても理解のできないことだ。
私の育った家族は、子供5人がすべて男。父は、全員が顔をそろえたときに、口癖のように「女の子がいたらなあ」と言ったものだ。突然、「『女の色』が少ないから、カーテンを明るくしよう」と言ったこともある。時には、子供たちに赤の入ったセーターを着せたり、長男の結婚が決まると、「女の色」が増えると言って、首を長くしてその日を待った。どんな色を「女の色」だと思っていたのか、そのわけはとうとう聞かずじまいだったが、私は、何となく納得していた。
【とうとう】到頭 【副】
終究,到底,結果。
【N1文法】~ずじまい
接続 動ない形+ずじまい
意味 最終未能… 結果還是没能…
~したいけど結局~しないで終わる
しようしようと思いつつも、今週も結局運動せずじまいだった。
家賃も水道代も払えずじまいで、ついに電気も止められてしまった。
小学生のころ、ちょっと派手な色の服を身につけ外に出たところ、「男のくせに」と仲間にからかわれ、泣かされた経験がある。そのころは、かばんや洋服などのデザインにも、ちゃんと男性用、女性用の区別があった。最近は個性を大切にする時代で、男女を区別して、色やデザインを決めることなどなくなってきているのだそうだ。なるほど、そうかもしれない。しかし、知らず知らずのうちに、正しい、当たり前だと思い込んでしまっていることは、色やデザインのほかにもたくさんあるのではないだろうか。
